激・桃隆の徒然なる日記&雑記

日常の話やら趣味の創作の話やらを徒然なるままに語っていきます。

 

幸福と辛苦のアンビバレント<2> 

親戚まで巻き込んでしまったレベルの家庭内争乱が発生した関係で、
昨日はネットに浮上する気が起きませんでした……。
本当……安息が欲しい……。もう嫌だ……。

まぁそんなリアル事情はさておき、ルードと奥さんの馴れ初め話の続きです。
改めて小説を書くというのは難しいと痛感><
この続きはまた追々執筆していきますので、気を長ーくしてお待ち頂ければ!
行き当たりばったりで書いているけど大丈夫かなぁ。

全く、創作がなければ今頃どうなっていることか(--;
私から創作を取り上げると一体何が残るというのだろうか……。


たくさんの拍手どうも有難うございました!


 そこは、鬱蒼と生い茂る森であった。空が晴れ渡っているときすら薄暗く、雲が空を覆うものなら夜にも匹敵する暗さとなる。
 その畦道を、一人の少女が懸命に走っていた。纏っている服はあちこちほつれていて、とても一般の人間が着るようなものではない粗末なものだ。
「もう……あんなところでなんか……とてもじゃないけど過ごすことなんてできない……」
 少女は、どうやらどこかから逃げてきた様子だった。あまりに必死で走り続けているようで、この華奢な少女の体力では、最早限界に近かった。
「はぁ、はぁ……ここまで逃げたら、もう追っ手は来ないかしら……」
 苔だらけの樹に座り込み、少女は息を切らしながら休憩する。
「…………。もう、ただの道具にしか扱われないような生活は嫌。私だって、人並の女の人生を送りたい……」
 少女の顔は暗かった。
「旦那様……きっと私のこと、血相を変えて探しているだろうなぁ……」
 今までの地獄のような生活を思い返し、少女は嘆息した。少女が「旦那様」と呼ぶ男からの仕打ちは、最早人間に対してのものではなかったのだから。
 いよいよ限界が来て、脱走し、何とか逃げおおせたという僥倖。あとはなるべく遠くに行って見つかりさえしなければ、やっと少女は心からの安息を得るのだ。
 ……というのも幻想だった。
「ここにいたか!」
「!」
 少女の顔が恐怖に歪んだ。よもや、ここまで逃げても、「旦那様」からの刺客が少女の元に来ようとは。
「へっへっへ……テメェを連れ帰れば、旦那からの報奨金はタンマリなんだよ!」
「金が絡んでいなかったら、テメェを食っていたところだったんだがなぁ……」
 刺客は二人。下卑た醜悪な顔で、我欲に塗れている男共だ。
「い、いや……」
「ほら、来いやぁ!」
 刺客の一人が、少女のか細い腕を掴む。
「いや、いやぁぁぁぁぁ……っ!」
 少女は悲痛な叫びを上げた。誰にも届かぬ、助けを求める叫びを。
 いや。届いていた。
「ひ、ひぇあぁぁぁぶるぁっ!?」
 醜男のしゃくり上げたような叫びが放たれた刹那、彼の体は縦に真っ二つに切り裂かれた。完全なる即死だ。
「ひぃぃぃぃ!?」
 もう一人の醜男が切り裂かれた仲間の無残な屍を見る。そして、目が飛び出さんばかりに驚愕し、口からは微かな嗚咽の声を漏らした。
「おぃぃ、誰だぁ!?」
 無事な方の醜男が脂汗を流しながら振り返った先には――黒いコート、銀の長髪、端正な美貌の男が、血に塗れた長剣を右手に握り、泰然と直立していた。
「…………」
 美男は剣先を醜男に向けた。
「ヒ、ヒ……」
「……死ね」
 美男の低く通った声が、微かに響いた。
 そして――。
「ぶぇばぁぁぁっ!」
 醜男の濁流のような声が、森に木霊した。
 あっという間だった。それこそ十数秒の出来事だったのだが、一部始終を見ていた少女は、時の流れが果たして長く感じたのか短く感じたのか、頭では整理しきれない錯覚に包まれた。
 この人は、私を助けてくれたの?
 あるいは、この人も旦那様に雇われて、金欲しさにこの二人を殺したの?
 少女は混乱した。目が潤む。助かったのか地獄に引き戻されるのか、二者択一の運命が少女に迫る。
「……大丈夫か」
 美男の通った声によって、少女は我に返った。
「え……」
「もしかして、俺に斬られると覚悟を決めていたのか?」
 少女は項垂れた。
「フン、無抵抗で且つ女子供なんて者を斬る趣味は持っていない」
 美男は剣を鞘に収めつつ、少女に言い放った。
「あ、あ、ありがとうございました……」
 少女はか細い声で、自分を助けてくれた男に礼を言った。
「お前、身なりから察するに、奴隷か何かだったのか?」
「…………」
「で、こいつらはお前を連れ戻すために主人が雇ったチンピラ、といったところか」
「…………」
「全て図星だから黙ったままなのか、女」
「……ぁ……はい……」
 美男の問いに、少女は微かな反応を示すのみだった。
「立て」
「!」
 不意に、美男は少女の華奢な腕を掴んだ。
「この先に小さな村がある。そこまで送っていってやろう。だが、その後どうするかはお前次第だからな」
「は、はい……」
 少女は汚れた服を気休めとばかりに叩いて払った。
「剣士様……剣士様もその村に行く途中だったのですか?」
「まぁな。一週間ばかりその村で静養しようと思っていたところだ」
 そう言うや否や、美男は身を翻して歩き出した。それを少女が追う。
「どうやらまだ歩けるようだな」
「ええ、少し休憩しましたから」
「そうか。おぶる必要もないみたいだな」
「おぶるって……いい人なんですね、剣士様」
「…………」
「あ、ずっと『剣士様』と呼ぶのも変ですよね。お名前は?」
「……ルード」
「ルード……さん……」
「お前には名はないのか?」
「私を旦那様に売った両親からは、『ステラ』と呼ばれていた記憶があります」
「…………」
「…………」
 そこで会話は途切れ、村までの数時間、二人は声を出すことはなかった。
 《漆黒の修羅》ルード・ファランクスと、元奴隷のステラ。
 この出会いが運命とは、二人はまだ気付く様子はないのであった。
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category: 小説

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