激・桃隆の徒然なる日記&雑記

日常の話やら趣味の創作の話やらを徒然なるままに語っていきます。

 

修羅の道 ~決戦~ 

……一体どんぐらい間が空けば気が済むんですかね……。
誰もが存在を忘れているであろうと思う、
「修羅の道」の続きでございます。

今回は戦闘シーンがメインの山場ですが……
クオリティは一切期待しないでくださいorz
全力は出しましたが、これが私の限界でした……。
戦闘描写を巧みに書ける作家さんは実に偉大だと思い知りました。
私もまだまだ要修業ですね><

ではでは、続きよりどぞー。


拍手どうも有難うございました!


 エレノスとイルディオは、お互い睨みあって硬直している。どちらが先手を打つか、様子を窺っているようである。その空気は重苦しいものとなっていて、剣士特有の覇気が、ユーリの方にも伝わってきた。
(緊張するわね……)
 ユーリの額には、汗が滲んでいた。
「ふ……なかなかの剣気ですね。この僕が、なかなか先手に踏み切れないなんて」
 イルディオは不敵な笑みを浮かべた。
「余裕そうだな……。俺の様子を窺っているとでもいうのか」
 反面、エレノスの方は強張った顔をして、イルディオを凝視している。
「エレノス、このまま睨み合っていてもキリがないわ! こっちは二人、相手は一人……分がある方はアタシ達の方じゃない!」
 ユーリのこの言葉を聞き、イルディオは高らかに笑った。
「何がおかしい!」
 刹那、エレノスは抜剣し、凄まじい速度でイルディオの胴体を捉えた――かと思えた。しかし、エレノスの剣の刃は、イルディオのそれによって完全に防がれてしまった。
「ほぉ、なかなか……。伊達に二つ名を持つほどの凄腕ではないという訳ですね。だが!」
 イルディオが目を見開き、喝を入れた瞬間、エレノスの身体は後方へ気押されてしまった。
(!?……何という、波動だ!?)
「僕は『世界最強』の名をほしいままにしている事を忘れてもらっては困ります……。そう簡単に勝とうなどとは思わない事ですね!」
 イルディオはそう叫ぶと、エレノスより勝る速度で、エレノスへ斬りつけんとばかりに迫って、剣を薙いだ。
「ふっ」
 イルディオは、一撃を入れたと確信していた。
 しかし、イルディオは自分の力が少し弱っている事に気付いた。そう、エレノスは、余裕綽々といった様子でイルディオの剣を受け止めていたのだ。
「む……!?」
「フン、コイツの存在を忘れてもらっては困るな」
 エレノスの後ろには、魔法を詠唱しているユーリの姿があった。そして、詠唱が終わったユーリが手を構えると、イルディオの足元の地面が隆起し、イルディオを壁へと突き飛ばした。
「グハッ!」
「やっりー! さっきはね、アンタが気付いていないうちに、心身の状態を低下させる魔法を唱えておいたのよ! 少しは効いたようね!」
 ユーリは完全に勝ち誇ったかのように、ヨロリと立ち上がるイルディオを見つめていた。
「フフッ、そういう事だったんですか。一対二だったという事を少し舐めていたようですね、僕も」
 イルディオは口元の血を手で拭った後、剣の切っ先をエレノスとユーリの方へと向けた。
「という訳で……まず、頭数を潰しておきましょう」
 イルディオが剣を下ろした途端、彼の姿が忽然と消えた。
「何!?」
 エレノスとユーリは明らかに動揺した。そして、この二人がたじろいでいる隙に、イルディオはユーリの目の前に突如現れた。
「……!」
「少々卑怯かとも思いますが、あなたには眠って頂きましょうか!」
 そう言うや否や、イルディオはユーリの鳩尾に拳を叩きつけた。
「か……は……!」
「ユーリ!」
 そのまま、ユーリは気絶してしまった。
「女性を殺すのは趣味ではありませんので、気絶させるだけで留めておきました。まさかここまで厄介だとは思いませんでしたよ、この僕がこの手に出るという策を巡らすまでにです」
「貴様……!」
 エレノスは、暗黒の気を剣に溜め、自分に背を向けていたイルディオを斬ろうとした。だが、イルディオはまたも姿を消した。そして、再び現れた先は、エレノスのすぐ後方であった。
「残念ながら、この女性の呪縛魔法など、僕にとっては蚊に血を吸われた程度の威力でしかないのですよ!」
 イルディオは、エレノスの振り向きざまに、エレノスの肩を斬りつけた。
「グッ!」
「フフッ、この僕の攻撃を、肩に掠める程度で抑えたのは見事ですよ」
 いつの間にか、ユーリの暗黒魔術によるダメージはほとんど消え失せてしまったようだ。
(何という……強さだ……!)
 イルディオの強さは最早、人の域を超えていると言っても過言ではない。人のものではない力を有しているエレノスとユーリをこれほど圧倒するまでに。伊達に『世界最強』とは呼ばれていない訳である。
「だが、この程度で屈するものか!」
 エレノスは、肩から滴る血を何とも思わず、暗黒剣を駆使し、イルディオに攻撃を加え続ける。しかし、決定打にはなかなか至らない。剣から迸る瘴気がイルディオの体に当たる程度で、剣での攻撃そのものはことごとく、すんでのところで防がれてしまっている。
 とうとう、エレノスの顔が苦悶に歪んできた。多量の出血と、暗黒の力を行使し続けた所以である。
「フフフ……この僕をここまで楽しませてくれる相手は、人間だと僕の祖父以来ですよ。むしろ、僕があの女性魔術師を封殺しなければ、今頃はもしかしたら……。いやぁ、まさかこんな島国でこれほどの強さの相手と出会えたのは僥倖でした」
 イルディオはエレノス達を称賛しているようにも見えるが、その実、力の差は圧倒的であった。
 ここでエレノス達は負けてしまい、エレノスの長年に亘る復讐劇は、果たされる事なく終わってしまうのだろうか!?
「さて、いつの間にか随分と長い間戦っているような気がします。十分に楽しんだところで、そろそろとどめと行きましょう」
 イルディオは凄まじい闘気を発しながら、剣を構えた。
(クソ……暗黒剣が……奴の身体に当たりさえすれば……!)
 エレノスもまた、自身の限界を超えたが如く、剣に暗黒の瘴気を帯びさせた。
(隙があれば……一瞬でいい、隙さえあれば……!)
 そして、イルディオは、エレノスの体を一刀両断にせしめんと斬りかかった。
 と、思いきや――。
「な、に……!?」
 突如、どこからともなく氷の塊が飛んできて、イルディオの体に直撃した。
「エレノス、今よ……!」
 何と、ユーリが気絶から復活し、イルディオに気付かれる事なく魔法を放ったのだ。
「くぅ、女ぁ……ッ!」
「ユーリ、助かったぞ!」
 ユーリの魔法という不意打ちにより隙が出来たイルディオへ、エレノスの渾身の暗黒剣が炸裂した。
 致死量の暗黒の力により、相手をたちまちのうちに死へと至らしめる、『闇殺剣』である――。
「グハァ……ッ!」
 イルディオの体から血が迸り、また、傷口がおぞましい黒紫色へと染まった。あとは、このまま〝死〟を待つだけである。
「イルディオ・スプリング……」
 エレノスは、これから死にゆく者の名をかすかに声へと出した。
「ふ……敗因は僕の甘さでしたよ……。僕が初めから〝美しき闇〟を殺していれば……この戦いは僕が勝っていました……」
「女は斬らないというポリシーが仇(あだ)となったな。それで何が『世界最強』だ……自惚れにも程がある」
「自惚れではなく……実際にそう呼ばれていたんですけどね……。しかし……あなた方には負けました……。こんな言葉を使うのも陳腐ですが……これも〝絆〟というものなのですね……」
「…………」
 イルディオは血を吐いた。
「ここで死ぬのか、僕は……。だが、戦いの中で死ねて、本望です……」
「…………」
「《ブラッディ・ブレイズ》首領は、この奥にいます……。僕が所持している傷薬を使って構いません……。さぁ……奴は好きにするといいですよ……。用があるのは……奴でしょう……?」
「……ああ」
「〝赤眼の悪鬼〟に〝美しき闇〟……あなた方の事は、あの世に行っても忘れません……」
 この言葉を最後に、イルディオはピクリとも動かなくなった。
「イルディオは、死んだの……?」
 ユーリは、ヨロリと立ち上がった。
「ああ。それより、大丈夫か?」
「アタシなら平気よ。それより、エレノスの傷を治さないと……」
 イルディオの死体から取り出した傷薬を、エレノスの肩の切り傷に塗ったら、たちまち傷口が塞がった。しかも、エレノスは再び暗黒剣を使えるだけの体力にまで回復したようである。
「これも、イルディオが世界を旅して回っていた最中に手に入れた、妙薬とでもいうのだろうか……。さすがに奴の致命傷には効かんだろうが」
「さぁさ、行きましょ。アタシもアンタが戦っている間に十分休ませてもらっていたから、もう戦えるわ」
「今度こそ、最後だな……」
 エレノスとユーリは、アジトの奥の方へと進んでいった。


「な、な、な……ッ!? 〝赤眼の悪鬼〟に〝美しき闇〟……!? イ、イルディオはどうした!?」
 エレノスは、このようにおののく《ブラッディ・ブレイズ》首領、ギリアム・フォーレストに対し、
「奴なら、俺達が殺した」
 と、ドスの利いた低い声で言い放った。
「年貢の納め時ね!」
 ユーリもまた、余裕綽々としていた。
「な、何が『世界最強』だ!? 畜生!」
 ギリアムは自暴自棄になって、大斧を振りかざし、エレノスらに襲いかかった。しかし、イルディオとギリアムとを比べると、「月とスッポン」という言葉すら、月とスッポンに対し失礼なレベルである。勝敗は明らかであった。
「ギャアァァァッ!」
 ギリアムは、エレノスの暗黒剣の一閃で、あっけなくあの世へと旅立った。
「なーんだ、弱いわねぇ」
「俺達は腐るほど戦って、経験を積んだ上に、あのイルディオを倒したほどだからな。その分、弱く感じただけだろう」
「ふーん」
 エレノスは、ユーリに背を向けた。
「ともあれ、これで全ては終わった……。あいつは見ていてくれていただろうか……。無念のまま死んでいったあいつも、少しは報われたろうか……」
「エレノス……」
 しばらくの間、このまま余韻に浸っていた二人だったが、
「……行くぞ」
 と、エレノスの落ち着き払った声とともに、《ブラッディ・ブレイズ》本拠地を去ったのであった。
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category: 小説

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