激・桃隆の徒然なる日記&雑記

日常の話やら趣味の創作の話やらを徒然なるままに語っていきます。

 

偽りのベトレイヤー ~4~ 

ララバイ公開前にこれのケリをつけちゃいませんとね。
という訳で、「偽りのベトレイヤー」最新話です。
今回、かなり気持ち悪い描写が前半にあるので、
嫌悪感を示されましたら大変申し訳ありません。
……ブログの規約に引っかからないかどうか心配。

次の話でクライマックス、次の次の話でエピローグ、を予定しておりますので、
全部で6話になっちゃいますでしょうか。
……当初の想定の2倍だよオイ……。

ともあれ、続きよりどぞ!


拍手どうも有難うございました!


 高級住宅街内の、一際荘厳な屋敷の中にある、拷問部屋。
 その部屋は、縄や鞭、三角木馬などといったものが置かれてあり、明らかに異様な雰囲気を醸し出していた。
 そして、三角木馬の上には、全裸で小太りのお世辞にも美しいなどとは言えない醜悪な男性が乗っており、今にもイきそうな恍惚の表情を浮かべていた。
 この男性の傍には、彼とは裏腹に、美しく整った顔を不快に歪ませている、リディルの姿があった。
「さ……さぁ……リディルたん、ボクをこの鞭でぶって、ハァハァ……」
 涎を垂らし、臭い息を断続的に吐き続けているこの醜男(しこお)を、リディルはこの世の悪性腫瘍そのものだと思いながら睨みつけていた。
「ジョニー……ぼくをあの町に帰してくれない? ぼくはきみだけのものじゃないんだよ?」
 醜男――ジョニーは、そう言ったリディルに唾を飛ばしてきた。
「ええい! ボクの言う事が聞けないの!? ペペペペペ!」
 悪臭が辺りを立ち込める。リディルはあからさまに不快な顔をしながら、ジョニーの唾液が顔にかからないよう、手でガードした。
「きみをあしらい続けた結果がコレ? よくも店を破壊してまで……」
「フン! ボクの可愛い家来たちを甘く見ないでよね!」
 そう、リディルが働いていた店を破壊したのは、ジョニーが屋敷に雇っていた衛兵達なのだった。抵抗した人間には怪我を負わせたりなどもしたため、リディルはジョニーを酷く憎んでいるのである。
「いいから! ボクを鞭で打って! ロウソクを垂らして! ナイフで切りつけて! ハァァン……!」
「クッ……!」
 いっそいたぶるのではなく本気で殺しにかかろうかと、リディルは棘の鞭を手に取って、思いっきりジョニーの胴体を打った。棘による傷からは血が滴り落ち、普通の人間だったら正視に堪えない様相である。しかし、これでジョニーは参るだろう――と思ったら大間違い、彼は超が付くほどのマゾなのだ。むしろ、
「ン……あぁ……イく、イくぅー!」
 などと嬌声を上げ、とうとう達したのであった。
「う、うぁぁ!」
 一応、こういう客の相手もしてきているリディルだったが、如何せんジョニーはマゾヒストが極まった最低最悪の変態醜男な上、この異様な閉鎖空間である、さすがにジョニーから目を逸らして、嘔吐してしまった。
「ゲホッ、ゲホッ……」
「さぁさ、もっといたぶって、ボクを傷めつけて! ンーあァァ!」
 リディルは、ジョニーを睥睨しつつナイフを手に取り――
「クソォ! きみなんか、殺してやる!」
 と、ジョニーの胸に突き立てた。
 ところが刹那、ジョニーの痰がリディルの顔にかかった。
「!」
「さすがに本当に殺すのはダーメ! さもないと、リディルたん、あんたも死んで頂く事になるよぉ~!? ボクの屋敷にいる直属の部下が、リディルたんの胸をグッサリ☆ そうすれば、あの世でもボクはリディルたんの奴隷……あァーン!」
 ジョニーは臭い息を、リディルの顔面に吐き出した。
「さぁ、続きよん! そのナイフで、軽くボクの背中を切って……! そう、何回も!」
「……うぅ」
 この男に従わざるを得ない状況下で、言われるがままナイフを振り続けるリディル。
 彼は、
(助けて……助けて、母さん、兄さん……!)
 と涙を流しながら、母と兄に心の中で救いを求めていたのであった。


「……という訳さ」
「ジョニー……おれがチラッと見た、あのいかにも変態な野郎に、リディルは……!」
 ラディは、リディルの店のマスターから事の次第を聞き、状況を把握した。
「あぁぁ……ジョニーはみてくれだけだったらただの不細工だけど、アイツは人間失格レベルの変態な上、連日リディルのところに通いつめた金持ちで、金の力でどうにでもなってしまうのが性質悪い……!」
 マスターはその場で泣き崩れてしまった。
 その様子を見て、居ても立ってもいられなくなったラディは、
「……あの野郎の屋敷の場所は分かりますか!?」
 と言って、マスターを驚かせた。
「な……何、あんた、もしかして、ジョニーの屋敷に乗り込む気かい!?」
「当たり前です! リディルを助け出すんだ!」
「そ、そんな事したら、あんた、死ぬよ!? ジョニー側の戦力をなめたらいけない!」
「じゃあ、リディルはどうなってもいいと言うんですか!?」
「う……」
 ラディの覇気に負け、マスターはボロボロになった店の中へと入っていった。そして、何やら本らしきものを持ってきた。
「これは?」
「帳簿さ。ここに、ジョニーの屋敷の住所を記してある。あんた、この街の地図は持っているかい?」
「はい。この街に来た直後に買ったやつです」
「ちょっと見せな。……うん、ここだね、ジョニーの屋敷は」
「分かりました」
 マスターはいかにも不安でいられない顔をしたので、ラディはそれを晴らしてやるために、自分の事を少し話す事にした。
「ねぇ、おばさん、おれの正体、分かりますか?」
「え?」
「父さんと比べるとほとんど知られていませんが……おれは、かつてこの国を魔女レイリアから救った英雄の一人、ラディです」
「!?」
「だから、心配はいりません。必ずリディルを助け出してきます!」
 そう言って、ラディはジョニーの屋敷がある方へと駆け出していった。
「ラディ……ね。もしかしてあの坊や、〝赤眼の悪鬼〟エレノス・ツァイバルの……?」
 マスターも勘付いたようだった。ラディの実父を……そして、リディルとの関係を。


 一方その頃。
「店の方に、あの子の気配がない……。何があったのかしら……。そういえば何時間か前、少し騒がしかったようだけど……」
 件の占い師の女性――リディルの母親もまた、不穏な空気を感じていた。
「でも、私には分かる。リディルは無事、そして、あの青年――ラディ君がきっと、解決の糸口になってくれる、と」
 占い師の女性は、どんよりとした虚空を見上げ。
「エレノスさん……どうか二人を守って……」
 かつて一縷の愛情を覚えた長髪の男を、そこに見たのであった。
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category: 小説

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