激・桃隆の徒然なる日記&雑記

日常の話やら趣味の創作の話やらを徒然なるままに語っていきます。

 

偽りのベトレイヤー ~5~ 

<再掲>
昨日の記事の追記でも書きましたが。
最近あまりにもスパムコメントが酷いので、対策として、
http://と@を禁止ワードに設定しました。
なので、コメントをURL付きで送ってくださる方は、
今後は「ttp://」などといった表記でお願い致しますm(__)m



さて、「偽りのベトレイヤー」第5話ですよー。
今回はクライマックスです。
……の割に盛り上がりに欠けるのは、私の技量がないせいですorz
今回、リディルが散々「兄さん」と連呼するんですが、
書いていて&読んでいていちいち堀川ヴォイスに脳内変換されてしゃーなかったです。
全ては聖闘士星矢が悪い(毎週日曜アニマックスで元祖も見ていたりします)

では、続きよりどぞ!


「ここか……」
 ラディは、地図の通りに進んだ先の屋敷に辿り着いた。
 高い壁、仰々しく立派な門――さぞこの先には凄い豪奢な建物があるのだろうなと想起させられた。スラム街にて底辺の生活をしている人々もいれば、高級住宅街では財力があって悠々自適に生活できる人々もいる、という両極端の現実を見せつけられ、ラディは胸が締まる思いがした。腹違いの弟・リディルがまさに底辺の生活を余儀なくされているのだから。
 この先に、リディルはいる。一体何をさせられているのだろうか。無事なのだろうか。ラディの不安は尽きない。
「リディル……今すぐ助け出してやるからな!」
 ラディは門を開けた。
 その先には、ラディの大凡想像していたどおりの大きな屋敷が見えた。その前には、広く行き渡っている庭があり、ジョニーの財力をそこに見せつけられた。
「ギャンギャン!」
 刹那、黒光りした毛並みを持つ犬が十数匹、けたたましく吠えてきた。
「警備犬、か」
 侵入者を感知した警備犬は、激しく吠えながら、瞬く間にラディへ襲いかかってきた。
「フン!」
 ラディは剣を鞘に収めたまま、警備犬の頭や胴体を激しく打ち付け、どんどんと気絶させていった。ラディにとって、たかが警備犬程度、敵ではない。伊達にかつてレイリアの造り出した凶悪な魔獣に対して数えきれないくらい相手にしてきた訳ではないのだった。
「ギャン!」
 十数匹の警備犬は、哀れにもあっさりと叩きのめされ、庭の芝生に身をうずめたのであった。
「たとえ動物であろうと、無益な殺生はしないさ。おれは、リディルを救いだして、あの変態を懲らしめるだけでいいし」
 ラディが一息ついたのも束の間、異常を察した衛兵がどんどんラディの元へとやってきた。
「貴様、何者だ!? この屋敷に何の用があって来た!?」
 警備犬の有様に驚きつつも槍を構える衛兵に対し、ラディは余裕をかましていた。
「あんた達、おれの話が分かる人?」
「ど、どういう事だ!」
「おれ、あんたらが攫ってきた人を連れ戻しに来たんだけど。ちょっとあんたらのご主人のところまで案内してくれる?」
 衛兵達は、冷や汗をかきながら槍を構え、その場に硬直した。
「できないってんなら、力づくでもここを通るぞ?」
 ラディは剣を抜く素振りを見せた。それにおののく衛兵達であったが、下卑た主人に雇われているだけとはいえ、これで家族を食わせてやっている責務という意地だけを顕わにし、
「こ、これも仕事だ!」
 とラディへ一斉に襲いかかってきた。
「やれやれ……」
 ラディは剣を抜いて、神速でそれを振るった。すると、衛兵達の槍の先端だけが、見事斬りおとされたではないか。
「!」
「さて、これで観念したよな?」
 だが、ラディの剣技に震え上がった衛兵達は、揃いも揃って腰を抜かしてしまい、とても歩けるような状態ではなくなってしまった。
「ヒィ、ヒィィ……!」
 そんな惨めったらしいプロの戦士に呆れつつ、
「んじゃ、屋敷に入って、しらみ潰しに捜していくしかなさそうだなぁ」
 などと平然とした様子で、屋敷の戸を開けたのであった。


 屋敷の中に入っても、ジョニーの雇った兵士が縦横無尽にラディへと襲いかかってきた。だが、それを軽くあしらい、戦意を喪失させつつ、屋敷の一つ一つの部屋を見て回った。
「ここも違う、あそこも違う……うーん」
 それにしても、いかんせん中が広すぎる。こうして捜している間にも、リディルの事が気になって仕方のないラディは、イライラ感を募らせていた。
 仕舞いには、怖気づいて腰を抜かしている屋敷のメイドの一人を捕まえて、
「なぁ、あんたの主人はどこで何をしている!? 奴が攫ってきた男性はどこだ!?」
 と尋問した。
「あ……あ……多分……地下の拷問室だと……思います……」
「拷問室!?」
 まさか、リディルが!?
 と、ラディは一瞬顔面蒼白になった。
「あそこで……いつもジョニー様は……」
 そこからメイドの言葉は声にならなかった。
「分かった、すまない。用が済んだらすぐにここを出ていくから!」
 ラディはそのまま駆け足で地下への階段を探し始めた。


「さぁ! ボクの体に傷薬を塗ったら再開よ!」
「うぅ……」
 リディルは数時間に及ぶジョニーへのマゾプレイで、心身とも限界に達していた。彼の顔は汗と涙で濡れ、服は血飛沫で紅く斑(まだら)に染められていた。
 きっと、兄さんが助けに来てくれる。
 リディルはそんな些末な思いを抱き、それに耐えているのだ。
「ほら、早くぅー!」
「に、兄さぁーん!」
 リディルが鞭を振り上げた刹那、
「リディル! そこにいるのか!?」
 とドア越しに聞き覚えのある声がしてきた。
「ん、んんぅ!?」
「に、兄さん!? 兄さんなんだね! ぼくはここだよ! 助けて、助けて……!」
「分かっているさ!」
 ラディは勢いよくドアを開け放った。
 ドアの先には、酷く醜いジョニーの姿と、すっかり精神的に疲弊しきったリディルの姿が、奇妙に入り混じっていた。
「何なんだこれ……?」
 その光景は、ラディの理解の範疇を完全に超えていた。
「ちょっとー! アンタは誰!? ボクの子分達はどうしたんだい!?」
「おれが全部綺麗にあしらってきた……というか……うぅ……」
 あまりに酷い悪臭により、ラディの気分がだんだんと滅入ってきた。
「兄さん、大丈夫!?」
 うずくまるラディを見て、リディルは慌てて駆け寄ってきた。
「な、何とか。リディルこそ無事だったか?」
「正直、気がどうかなりそうだったけど、ぼくはこの通り」
 相変わらず三角木馬の上で顔を歪ませているジョニーは、
「何、アンタ、リディルたんを連れ戻しに来たって事!?」
 と、ほとんど奇声のような叫びを上げた。
「ああ。それに、よくもリディルの店を襲ったな! お前は変態なだけじゃなくて立派な犯罪者だ! 大人しくこの街の自警団の御用となれ!」
 悪臭により意識が揺らいできたラディだったが、それでも力強くジョニーに対し責めきった。
「兄さん、早くここを出よう! そして、自警団の詰所へ……」
「分かっているさ」
 ラディはリディルの支えにより、何とか立ちあがった。
「ちょ、ちょっとー! おい! リディルたんはあげないよ! この小僧を嬲りな、ボクの可愛い子分!」
「フン、お前が雇っている衛兵だったら、おれが――」
 ラディがそう言いかけた途端。
「に、兄さん、後ろ!」
「?」
 リディルの叫びも空しく、油断しきっていたラディは、あしらったと思っていた衛兵に後頭部を壷で殴られてしまった。
「グ……グハッ……!」
「兄さん!? 兄さん! 兄さーん!」
 ラディは完全に意識を失ってしまい、リディルの声はラディへと届かなかった。
「ハァ、ハァ……」
 衛兵はこれでやりきったというまでの様相を見せた。
「さぁ、この小僧を牢にぶち込んでおやり!」
「兄さん! しっかりしてよ、兄さん!」
 涙を浮かべ叫び続けるリディルをよそに、衛兵はラディの腕を掴んだのだった。


 ここは? そういえば、おれは――。
「不甲斐ない。たかが一人の人間によって意識を失うなどとはな」
 あれ、この声……!?
「お前の旅での経験はこの程度か? 俺の息子なのに、情けない」
 父さん!?
「……何だその顔は。俺に言いたい事があるようにも見えるが」
 ああ、山ほどあるさ。それは、父さんだって勘づいている事だろ?
「…………。お前には、すまないとしか言いようがないな」
 それは、おれの母さんを裏切った事に対してか?
「…………。俺はあの世でもアイツを愛している。だから、あの女と俺の子には顔を合わせられようもない」
 何が言いたい!?
「お前の腹違いの子を否定する気はない。ただ、全ては俺が悪かった……それだけだ」
 随分と潔いな。
「お前は、あの腹違いの弟が大切なんだろう?」
 ……ああ。
「ならば、少しは根性を見せたらどうだ。仮にもレイリアを相手にして勝利したんだろう、お前は」
 結局父さんにとどめを任せちゃったけどな。
「いや、お前は強いはずだ。だから、この窮地を切り抜けてみせろ」
 分かっている!
「さぁ、弟の想いに応えてやったらどうだ。お前が目覚めるのを待っているぞ」
 言われなくても!
「よし、それでいい」
 ハハッ、久々に父さんと話せたな。お陰で元気が出てきたってもんだ。
「行け、ラディ。お前はやれる男だ」
 ありがとな、父さん! じゃ、おれ、行くよ!
「フン」


「フッ。それにしても、実の子を名前で呼ぶのに未だに抵抗があるとは、俺も大概だな……」


「兄さん! 兄さん!」
「全く、てこずらせてくれるよね! 牢の中で頭冷やしておいで!」
 衛兵がラディの腕を肩に回した、その瞬間。
「……おれを誰だと思っている?」
 ラディは意識を取り戻し、そのまま衛兵の首を絞めた。
「グ、グァ……!」
「兄さん!」
 今度は衛兵の方が意識を失い、そのままくずおれてしまった。
「おれは〝赤眼の悪鬼〟エレノス・ツァイバルの息子、ラディだ! そして、リディルはおれの弟なんだよ!」
「へ、へ……!?」
 ラディはジョニーの顔面を思い切り殴り飛ばし、ジョニーを気絶させた。
「良かった、兄さん! 大丈夫!?」
「ああ、大した傷じゃない。それより、この事態を街の自警団に伝えよう。そうすれば、この変態はもれなく御用さ」
 その言葉を聞いたリディルは歓喜の涙を流し。
「兄さん、兄さぁん……!」
「怖い思いをしたな。だが、もう大丈夫だ」
 兄のラディに抱きつき、しばし安堵の余韻に浸ったのであった。
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category: 小説

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